2つ目の理由は、セキュリティ対策である。有害サイトへのアクセスが社会問題化し、各自治体では青少年育成条例を制定する中、ランシステムではいち早くURLフィルタリングを導入してきた。しかし、各店舗のPCに国内ベンダーのURLフィルタリングソフトをインストールしたものの、その運用管理やコストが大きな負担になっていたという。
「こうした問題に加え、エージェントソフトを入れるとPCのパフォーマンスに影響し、快適な利用環境が損なわれる懸念もありました。そこで、PCではなく、ゲートウェイで一括してフィルタリングする方法を検討。最終的にRTX3000を活用する方法を思い立ったのです」と沖野氏は説明する。
ランシステムがゲートウェイ方式として着目したのは、国内2社の外部データベースと連携し、ルーター側でWebアクセスを制限するURLフィルタリング機能だ。これは、ヤマハのファイアウォールルーター「SRT100」に実装されている機能だが、これをカスタマイズし、ファームウェアをRTX3000に実装することにしたのだ。すでに、数店舗のフィールド試験で効果を検証しており、新設した高田馬場店を皮切りに、本格展開を進める計画だ。
ランシステムが注力しているのは、もちろんセキュリティ対策だけではない。利用者が安心して「自遊空間」のサービスを楽しめるよう、さまざまな工夫を凝らしている。利用者の氏名や年齢などを登録する会員制度もその1つ。入店時に会員証をPOSシステムに通すことで、 夜間に滞在する18歳未満のお客様に退店を促したり、年齢に適したコンテンツの提供をスムーズに行うことができる。
こうしたPOSシステムのデータは「RTX3000」や「RTX1100」のインターネットVPNを介してデータセンターで管理。店舗のサーバーがダウンしても、インターネットVPN経由でデータセンターのサーバーに切り換え、サービスを継続できる体制を整えている。
「RTXシリーズは設定が容易なことに加え、管理機能が充実しています。例えばIPネットワークに障害が発生した場合、ISDN経由でルーターを制御するリモートセットアップ機能など、全国に多数の店舗を展開する当社にとって大助かりです」と黒澤氏は高く評価する。
今後、ランシステムでは、店舗ごとに導入している各種デジタルコンテンツをデータセンターで一元管理し、インターネットVPN経由で各店舗の利用者に提供する構想も視野に入れている。店舗の管理負荷を軽減するとともに、新コンテンツをスピーディに提供する狙いだ。これからも、ヤマハのルーターが支えるサービス基盤を軸に、複合カフェを革新していくことになるだろう。